経営者なら頭を悩ます問題社員。

 

問題社員といっても、能力が低いとは限らないようです。

 

私は、仕事柄、他の士業の方や経営コンサルタントの方からも、お話をお聞きする機会が多いです。

お話を聞いていると、どうやら、最近はむしろ、「頑張りすぎてしまう従業員」に頭を悩ませている社長さんが多いようです。

 

従業員一人ひとりを見ると、能力、モチベーションがまちまちです。

 

その中でも、能力もモチベーションも高い従業員が、そうでもない従業員に対して強くものをいったり、厳しい態度をとってしまうという例が増えているようなのです。

 

こういった「頑張りすぎる従業員」は、一見、会社にとっては貴重な存在に思えます。

また、意欲やモチベーションが高い従業員と話すと、社長さんもうれしくなります。

 

したがって、そういった「頑張りすぎる従業員」が他の従業員とトラブルを起こしても、心情的に、かばいたくなってしまうのです。

 

しかし、その「頑張りすぎる従業員」が原因で、新しく入る人が定着しなかったり、以前からいる従業員が徐々にやめていくことがあるのです。

 

紹介会社や求人誌などに高い採用コストを支払い、多くの手間をかけて教育しても、「頑張りすぎる従業員」のために普通の従業員がどんどんやめていく。

 

会社としては、大変な損失です。

 

しかも、そういう展開になると、「頑張りすぎる従業員」は休日出勤や時間外労働をして会社のために奉仕し、それもサービス残業だったりして、経営者はますます、その「頑張りすぎる従業員」に頭が上がらなくなっていきます。

 

「頑張りすぎる従業員」本人が自分が原因で人が定着しないのかも？と気づいてくれればいいのですが、そういう「頑張りすぎる従業員」はおうおうにして、自覚がありません。

 

非常に根深い、解決困難な問題です。

 

ただ、解決しなければ、会社の体力は徐々に削られていきますし、蓄えも減っていきます。

 

特に悪いことをしたわけでもない従業員がいじめられて退職していくのは、正義や道徳からも問題です。

 

社長さんも、うすうす気が付いていても、「頑張りすぎる従業員」問題について、はっきり自覚する勇気がないのです。

 

まずは、問題点についてしっかり見つめなおすところから始めなくてはいけません。