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「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」が第198回通常国会で成立、令和元年6月5日に公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法について、職場のハラスメントに関係する部分が改正されました。
法改正により、2020年6月1日から大企業で施行されます。
中小企業は同時期に努力義務となり、2022年4月1日より義務化されます。
改正された労働施策総合推進法では、職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものとされます。
1.職場において行われる優越的な関係を背景とした
2.業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
3.労働者の就業環境が害されること
パワーハラスメント防止のため、相談体制の整備等の雇用管理上必要な措置を講じることを事業主に義務付けています。
パワーハラスメントは、
同じ職場で働く者に対して、
職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為です。
1.原則として同じ職場内で起こります。
「職場」とは、業務を遂行する場所を指しますが、通常就業している場所以外で あっても、業務を遂行する場所については職場に含むものと考えます。
2.加害者は上司であることが多いですが、部下や同僚が加害者になることもあります。
部下の方がスキルがあったり、事実上現場を仕切っていたり、職場で上司よりも人望が 厚かったりすれば、上司の方が立場や弱くなるので部下が加害者になることがあり得ます。
3.業務では部下に対する指示や指導、教育が必要となります。そのためには注意をしたり 叱らなければならない場面も出てきます。
しかし、注意や叱責も度を越えてしまうとパワハラになり得ます。もちろん仕事とは 全く無関係の暴言などは論外です。
4.業務上必要な注意や叱責をする場合でも、相手の心や身体、健康にダメージを 与えないように配慮することが必要です。
職場のハラスメントには、パワハラ、セクハラ、マタハラがあります。
典型的なパワハラ行為(6類型)
①身体的な攻撃(暴行・傷害)
②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
職場のセクシュアルハラスメントとは
職場において行われる労働者の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について 不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
「性的な言動」とは?
性的な内容の発言や性的な行動のことをいいます。
○性的な内容の発言の例
性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(うわさ)を流すこと、性的な冗談やからかい、 食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなど
○性的な行動の例
性的な関係を強要すること、必要なく身体に触れること、わいせつ図画を配布・掲示すること、 強制わいせつ行為、強姦など
「職場」において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業、介護休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業・介護休業等を申出・取得した「男女労働者」の就業環境が害されることをいいます。
マタニティハラスメント(マタハラ)…妊娠した女性社員に対する嫌がらせ行為
パタニティハラスメント(パタハラ)…育児のために休暇や時短勤務を希望する男性社員に対する 嫌がらせ行為
ケアハラスメント(ケアハラ)…家族の介護をしている介護者に対して、仕事と介護を両立しようとする 状況への嫌がらせ
○妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いは禁止されています!
妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等を理由として、事業主が行う解雇、 減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない(契約社員の場合)といった行為は「ハラスメン ト」ではなく「不利益取扱い」となります。
例えば、妊娠したことを伝えたら契約が更新されなかった、育児休業を取得したら降格させられた 等が不利益取扱いに該当し、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法違反となります。
セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントについては、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法において、事業主が雇用管理上必要な措置を講じることを義務付けています。
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