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42.「パワハラ相談が過去最高」

平成30年6月27日のニュースで、パワハラ相談の件数が過去最高になったとの発表がありました。

労働相談件数自体は減っているのに、パワハラの件数が増えているのです。

パワハラが怖いのは、パワハラ加害者に、「自分はパワハラをした」という自覚がないことです。

「相手が大事だからこそ、相手のためになるように熱心に教えているのだ。本当に相手のことが嫌いなら、そもそも関心を持たない。」「自分のしていることはいじりだ。相手もおいしいはずだ。」などと加害者側は勘違いをしてしまうのです。

今年に入って、アマチュアスポーツで名指導者とされていた方が選手たちへのパワハラで告発されましたが、指導者の方の会見を見るかぎりでは、ご自分がなぜ告発されたのかについて、今一つピンと来ていない様子でした。

職場でパワハラ被害が疑われる場合には、双方から言い分を聞かなければいけませんが、その際には、「パワハラをしている側には自覚がない。」「指摘されても加害者は容易にはパワハラを認めない。」ことを前提にしなければいけません。

職場のパワハラ調査でも、加害者に自分の振る舞いを自覚させるためには、時間がかかります。

加害者側の方も、「自分の言動に誤解を与えるようなところがあったと思います。申し訳ありません。」などと神妙に反省しているように振舞います。しかし、その場を取り繕うために反省の様子を見せているだけで、心の奥底では全く納得していなかったりしますので、同じことを繰り返したり、ほとぼりが冷めたころに被害者に怒りを向けてしまう可能性もあります。

パワハラ問題の対処のためには、まずは被害の拡大を防ぐために加害者側への自宅待機の指示や配置転換をすることが重要です。

その次に、丁寧に調査して真実を見極める必要があります。

事実についての調査が終わり、加害の事実が認められれば加害者側に処分が下されることになりますが、それだけでは終わりません。

根本的に解決するためには、(解雇をしない場合には)パワハラ加害者と粘り強く対話をして、自分の振る舞いについて自覚してもらう必要があります。

そのためにも、カウンセリング的な手法も有効になるかと思います。

 

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