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38.「私生活上の行為を理由とした懲戒はできるのか」

前回のコラムで、懲戒について触れました。

業務で従業員が違反行為をした場合ではなく、私生活の中での行いを理由に懲戒することは認められるのでしょうか。

 

私生活上の行為を理由とした懲戒処分は原則としては慎重にすべきと考えてください。

例えば、従業員が不貞をしたとします。

確かに、その従業員は配偶者や子供たちに迷惑をかけています。

不道徳な行為です。

しかし、その行いが不道徳というだけでは、懲戒はできないのが原則です。

 

ただ、私生活上の行為を理由とした懲戒が常にできないのかと言われれば、そういうわけではありません。

会社に迷惑をかけるような行為の場合には、懲戒できる余地が出てきます。

 

例えば、社内不倫。

従業員同士が不貞をして、社内の雰囲気が悪くなって他の従業員が苦痛を感じたり、業務遂行に悪い影響が出たような場合には、懲戒が可能になります。

 

もっとも、懲戒をするにあたっては、会社やほかの従業員に対し、具体的にどのような悪影響、実害が出たのかについて、指摘をする必要があります。

従業員同士の不貞行為があったとしても、不貞の事実が他の従業員に知られることなく、職場の環境を悪化させるようなこともなかった場合には、社内不倫が不道徳というだけでは懲戒できません。

 

一つ具体例を挙げてみます。

仮に、教職員が生徒の親と不貞をしていたような場合に、学校はその教職員に対して懲戒解雇できるでしょうか。

多くの人は、「それはひどい。懲戒解雇できて当然である。」と思うはずです。

正解です。

そういったケースでは、懲戒できると考えるのが妥当です。

 

ただ、職場(この場合には学校)にどういった悪影響を与えたのかについて、具体的に説明できなければいけません。

 

例えば、このケースですと、子供に深刻な実害が出ます。不貞によって家庭が崩壊したり、子供が学校にいられなくなり、教育を受ける権利が奪われかねません。

学校の本来の役割は子供たちの教育を受ける権利に応えることですが、その役割を果たすことができなくなります。

また、学校の先生が父兄とそういった関係になるようだと、他の父兄からそういった学校に子供を預けていいのかと思われてしまいます。

学校に対する信頼が根本的に失われてしまい、学校の存続や運営に深刻な支障が出ます。

ここまでくると、私生活だけの問題ではなくなってきます。

職場(学校)に深刻な悪影響を与えているのは明らかです。

 

このように、懲戒処分をするにあたっては、単に「不道徳」であるというだけではなく、「具体的な悪影響」を示す必要があります。

 

では、従業員の飲酒運転の場合にはどうでしょうか。

業務中に飲酒して運転をしたような場合には、懲戒解雇できる場合が多いでしょう。

一方、従業員が勤務外で飲酒運転をして逮捕されたような場合に、懲戒解雇できるのでしょうか。

 

飲酒運転でも、酒に酔った状態で正常な運転ができない恐れがある酒酔い運転と、そこまでの状態には至らないが血中アルコール濃度が一定数を超えた酒気帯び運転に分かれます。

 

従業員が酒酔い運転で逮捕され、実名とともに会社名が報道されてしまったような場合には、懲戒解雇する余地があります。

会社の名前が出たことで、会社の社会的な評価が損なわれるからです。

仮に会社の名前が出なくても、逮捕者の実名が報道され、取引先などに「あの会社の○○さんが逮捕された」とわかってしまうような場合には、懲戒解雇ができる可能性が出てきます。

会社の社会的な評価が損なわれるからです。

 

ただ、酒酔い運転よりも程度が軽い酒気帯び運転の場合には、逮捕されて会社名が出ても、懲戒解雇までは難しいとされます。

酒酔い運転ほどは悪質でないため、会社の社会的評価に与える影響が限定的と考えられるからです。

 

では、酒気帯び運転をしたのが、鉄道会社やバス会社のような公共交通機関の従業員だった場合はどうでしょうか。

この場合には、懲戒解雇ができる可能性がぐんと高くなります。

公共交通機関の場合、従業員の飲酒運転は、酒気帯びであっても、会社の社会的評価に対して普通の会社の場合よりもずっと大きなダメージを与えるからです。

例えば、楽器屋さんやスーパーマーケットの店員が飲酒運転した場合よりも、普段利用している交通機関の従業員が飲酒運転をした場合の方が、利用客はずっと不安になりますよね。

 

こうやって、一つ一つ具体的な悪影響を検討しつつ、判断していきます。

懲戒処分をするにあたっては、具体的な判断が要求されるのです。

 

判断を誤ると、のちに解雇が無効とされ、その間の未払い賃金の支払い請求をされるリスクもあります。

懲戒処分については、裁判例などを見ながら慎重に判断するか、あるいは、専門家にアドバイスを求めることをお勧めいたします。

 

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