仕事を根性で乗り切ろうとして、こじらせてしまう従業員がいます。

事業者も、従業員のやる気を見て感心し、つい、従業員の頑張りに任せてしまう。

ありがちです。

でも、それは危険なことですね。

 

人の心は、物質を超越した神秘的なものなのか、それとも、たんぱく質などの物質の働きに過ぎないのかについて、

昔から偉い哲学者たちが議論をしてきました。

今では、人間の心も、物質を超えた神秘的なパワーなどではなく、単なる物質の働きに過ぎないのではないかという見解が主流です。

 

心頭滅却すれば火もまた涼し（＝根性を発揮すれば火だるまになっても熱くない）などということわざがあるように、

どうも、日本人は、根性さえあれば、何とかなると思う傾向があります。

しかし、それは無茶な話です。

 

目の前にあるコップに、いくら動けと念じても、根性出して念力を送っても、コップは１ミリも動きません。

足を複雑骨折したマラソンランナーにいくら根性があっても、マラソン大会に出て完走することは不可能です。

 

同じように、メンタル不調も脳の中の物質の働きに異変が生じて起こっているのですから、

本当に不調を起こしているのであれば、根性ではどうにもなりません。

 

仕事をしていれば、一時的には、どうしても従業員さんに無理をしてもらったり、頑張ってもらわなければいけない場面はあるかもしれません。

ただ、それが常態化すると大変です。

従業員さんが根性ではどうにもならない状況で頑張り過ぎていることが発覚した場合には、早々に手を打たないと取り返しがつかないことになる恐れがあります。